家の外観の印象や機能性を形作るのに大切な要素のひとつが、外構通路です。家族の日常の使用や訪問客、防犯などあらゆる目線から適切なデザインを検討する必要があります。そこで今回は、外構通路の適切な幅や、設置の際に気をつけたいポイントを解説します。
外構通路とは?
外構通路とは、道路から玄関までつなぐ通路のことです。毎日家族が使う共有部分で、訪問客を家の中に迎え入れる役割もあり、家の印象を形作る重要な部分といえます。
外構通路の選び方によって、家の機能性や防犯性が高まります。家のデザインをする際は、見落とすことなくしっかり検討したい部分のひとつです。
外構通路の適切な幅は?
一般的には、外構通路に適切な幅は、1.2mとされています。また、敷地の広さによって、作れる外構通路の幅には違いがでます。
住宅とのバランスを考え、狭くとも0.9m、最大で1.8m程度の範囲から選択すると良いでしょう。ここではさらに、適切な幅を決めるにあたり検討すべき以下3つの点を解説します。
- ・広すぎると困ること
・狭すぎると困ること
・法律上の規定があるケース
広すぎると困ること
外構通路の幅は、敷地の面積や住宅の大きさなどとのバランスを考えて決める必要があります。外構通路が広すぎると、庭や駐車スペースが狭くなり、生活上の不便が起こる可能性があります。
また、通路が広すぎるとどこを歩いていいかわからず、夜間や視界が悪い時のガイドラインの役割を果たせません。
狭すぎると困ること
外構通路は、家の外観の印象を左右する部分でもあります。外構通路が狭すぎると、圧迫感のある印象となり、家の外観に影響します。また、機能面から見ても、大きな荷物を運ぶ際や人とすれ違う際に不便を感じるでしょう。
法律上の規定があるケース
建築基準法では、以下の建築物には外構通路に関係する規定が定められています。
- ・3階以上
・特殊建築物
・窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物
・延べ面積が1000㎡をこえる建築物
3階以上の建物で床面積200㎡未満の場合は、有効幅90㎝の通路が必要です。また、4階建て以上や延べ面積200㎡以上の建物には、幅1.5m以上の通路を設置しなければなりません。
外構通路を作る時に押さえておきたいポイント
自宅にとって適切な外構通路を考える際は、以下のポイントを押さえておくのがおすすめです。
- ・人や荷物が通れる幅を確保する
・玄関までの動線を意識する
・子育てや介護への対応も考える
・奥行きを出す
・死角ができないようにする
人や荷物が通れる幅を確保する
上記で解説した、一般的な外構通路幅1.2mは、荷物を持った人が問題なくすれ違える程度の幅です。人が通るだけの通路であれば半分の0.6m程度でも問題ありませんが、日常のさまざまなシーンを想定しておく必要があります。荷物を運び込む、子どもと手をつないで歩くなどが余裕でおこなえる幅の確保がおすすめです。
玄関までの動線を意識する
家の門から玄関までの動線を意識すると、外構通路の完成図がイメージしやすくなります。効率性だけで考えるなら、外構通路は最短距離であることが望ましいです。
ただし、門から玄関までが直線で結ばれていると、ドアを開けた時、外から家の中が丸見えになってしまうデメリットがあります。これを避けるために、外構通路にカーブをつけたり、目隠しとして門扉やフェンスを設置したりなどの方法も検討できます。
子育てや介護への対応も考える
大人一人が通ることを想定する場合、通路幅は狭くても問題ないかもしれません。しかし、住みやすい家にするには、変化するライフステージにも対応できる作りにしておく必要があります。
ベビーカーや車椅子を押しても通りやすい外構通路を作っておくと、子育てや介護の際に快適です。とくに階段は高齢者の方のつまずきが多い箇所のため、介護を想定する場合はスロープや手すりの設置もおすすめです。
奥行きを出す
外構通路のデザインによって、敷地に奥行きを持たせ、ゆとりのある印象を作ることもできます。上述のとおり、門から玄関を直線で結ばず、カーブやジグザグのデザインにするのもひとつの方法です。また、通路に沿って植物や敷石などを配置すると、通路が長く見えます。
死角ができないようにする
外から家の中が丸見えにならないようにすることは大切ですが、隠そうとして多くの死角ができると防犯には逆効果です。死角になる部分には防犯カメラを設置したり、砂利を引いたりすると防犯対策ができます。
まとめ
外構通路は、一般的に1.2mが適切な幅とされています。幅は敷地の広さによって調整できますが、荷物を持ったり子どもと手をつないだりしていても、問題なく通れる程度の幅がおすすめです。また、外から家の中が丸見えにならないための工夫も必要です。
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